「ロックアウト」は本当に脱獄不能なのか!?

リュック・ベッソンがプロデュースしたことで話題となった映画「ロックアウト」を徹底的に解明!

ロックアウト

「ロックアウト」は2012年にフランスで製作されたSFアクション映画です。近未来の刑務所を舞台に繰り広げられる、囚人と元CIAエージェントのバトルを描いた作品です。「ハートロッカー」「英国王のスピーチ」で知られるガイ・ピアースが屈強な主人公を演じ、「96時間」のマギー・グレイスが囚人の人質に取られる大統領の娘役を好演しています。製作は「レオン」や「トランスポーター」シリーズを手掛けるリュック・ベッソン。監督はアイルランド出身で本作がデビュー作となる若手コンビ、スティーブン・セント・レジャーとジェームズ・マザーが務めました。

キャスト

スタッフ

ストーリー

時は2079年。CIA諜報員のマリオン・スノーは捜査官フランク・アームストロングの殺害容疑で逮捕される。機密情報機関長官のスコット・ラングルはスノーを宇宙刑務所「MS-1」に投獄するという。MS-1は実験的に作られた刑務所で、500人にも及ぶ凶悪な囚人たちを、コールドスリープの技術を用いて収監していて、厳重な警備体制により未だ脱獄者はゼロに抑えられていた。

一方その頃、アメリカ合衆国大統領の娘であるエミリー・ワーノックが宇宙刑務所MS-1を訪れていた。エミリーはコールドスリープによる囚人たちの精神への影響がないか調査していたのだ。囚人の一人であるハイデルが、エミリーの調査のために目覚めさせられた。目覚めたハイデルはエミリーの持っていた銃を奪い、脱走を試みる。エミリーを人質にとり、囚人全員のコールドスリープを解くよう看守を脅したのだ。目覚めた囚人たちは結託し、暴動を始める。暴動が起きるMS-1の中で大統領の娘が人質に取られていることを知ったラングラル長官は、スノーにエミリーの救出を命ずる。気乗りしないスノーだったが、MS-1の中にかつての相棒メースが収監されていることを知り、自分の無罪を証明できるかも知れないと意気込み始める。

スノーはMS-1へ潜入し、エミリーの救出に乗り出す。囚人たちはエミリーが大統領の娘であることに気づき監禁するが、彼女はボディーガードと共に隙をついて脱走する。安全な部屋へと隠れたエミリーとボディーガードだったが、その部屋は酸素が少なく、だんだん酸素が減っていることに気づいたボディーガードはエミリーを少しでも長生きさせようと自殺する。隠れていたエミリーを見つけ出したスノーは、彼女の髪型を変え、顔を殴って女とばれないようにし、暴動であふれる囚人の間をぬって相棒メースを探しに行く。二人はやっとのことでメースを見つけ出すが、彼はコールドスリープの影響で認知症になっていたのだった。

支離滅裂なメースをつれて、二人は脱出ポットを探しに行く。しかし、囚人たちの暴動で管理者を失ったMS-1が軌道を外れて落下し始め、国際宇宙ステーションに激突してしまい、メースが死んでしまう。落ち込むスノーだったが何とか脱出ポットを見つける。しかしそれには一人しか乗れない仕様になっていた。スノーは自分はもともとここへは死ぬためにやって来させられたのだと気づき、エミリーをポッドに乗せて脱出させる。しかしエミリーは自分がここに残らなければ囚人は殺されてしまうと思い、MS-1に残ることを決意する。脱出ポットからおりて、スノーを捜すエミリーのもとに、囚人ハイデルから連絡が入る。お前の居場所を教えなければ、人質となっている看守を皆殺しにするというのだ。居場所を教えてしまうエミリー。しかしハイデルは人質を皆殺しにしてしまう。

エミリーとスノーはMS-1を逃げ回るうち、囚人たちが不法に人体実験に使われていた証拠を発見する。しかし二人はハイデルの兄であるアレックスに捕らえられてしまう。アレックスは、大統領に連絡を取り、娘を犯されたくなければ囚人たちを釈放しろと脅す。大統領はそれを断るが、それを聞いていたラングラル長官はMS-1の破壊を命じる。彼の部下はMS-1に爆弾を仕掛け、破壊しようと試みる。

大統領が要求を飲まなかったので、ハイデルは約束どおりエミリーを犯そうとする。アレックスがそれを止めると、怒り狂ったハイデルはアレックスを刺し殺してしまう。ハイデルに応戦し、逃げ出したスノーとエミリーは、特殊な宇宙服を着てMS-1の爆発から逃れ、大気圏に突入。無事ニューヨークに着地する。スノーは逮捕されるが、メースが支離滅裂に発していた言葉が無罪を証明するブリーフケースの鍵となることにエミリーが気づく。ブリーフケースを開けようとするスノーを、諜報員仲間のハリー・ショウが襲ってきた。彼はメースがMS-1に収監されているとスノーに教えてくれた人物だった。ブリーフケースを奪い、ロックを解除するハリーに、お前にはコードを教えていないというスノー。フランクを殺した真犯人はハリーだったのだ。ニ重スパイがばれたハリーは逮捕され、スノーは無事に釈放されるのだった。

ロックアウトってどういう意味?

ロックアウトとは「締め出してしまう」という意味です。これが転じて、設備や施設・敷地を立ち入り制限し、本来それを利用して何らかの利益を得ようとする相手に対して譲歩なり撤回なりといった要求を飲ませる交渉手段のことを言います。ストライキの反対語ともいえますね。工場の閉鎖や店舗の閉鎖に使われる言葉なのですが、映画「ロックアウト」の場合は刑務所の閉鎖という意味で使われています。ですが、この映画の場合立ち入りを制限しているのではく、物理的に入れないだけですし、ロックアウトしている側の要求が、「ここから出せ!」といったものなので、この状況をロックアウトと言っていいのかどうか疑問が残ります。大統領の娘や看守たちを人質に取っていますので、どちらかというと「立てこもり」に近い気がします。本来のロックアウトは労働者側の自主管理運営を阻止するために行なわれます。つまり、経営者が労働者を締め出して「あなたたちここで働けないと困るんでしょ?じゃあ言うこときいてね」という状況にもっていくために行なわれるわけです。この定義に映画を当てはめると経営者はラングル長官または大統領で、労働者は囚人たちということになりますが、ロックアウトしたのは囚人たちなので、定義に当てはまらなくなりますね。やっぱり「ロックアウト」というよりは「立てこもり」のほうがしっくりくるような気がします。

日本での公開

日本では2012年11月23日に公開されました。CMにはネガティブキャラで人気のモデル・栗原類さんが起用され話題となりました。栗原類さんは主人公スノーの、どんなピンチにも「ポジティブ」に戦うタフガイな性格を紹介するテレビスポット「キャラ編」に出演しています。また、公開直前イベントには筋骨隆々のマッチョな主人公に合わせてお笑い芸人の小島よしおさんが、また大統領の娘でお嬢様のヒロイン・エミリーと同じく、女優・多岐川裕美の娘でお嬢様育ちの多岐川華子さんがPR部隊として登場しました。

感想

エミリー役のマギー・グレイスさんがちょっと好きなので観てみました。この作品と同じくリュック・ベッソンがプロデュースしている映画「96時間」で、父親のとばっちりで危険な目に合わされる娘の役をやっていて、「あんまりかわいくないのになぜか同情できる女優」として私の中でお気に入りになっていました。そんなマギーさんですが、今回もまた大統領の娘として危険な目に合う役でしたね…。正義感が強くて世間知らずで、そしてやっぱりかわいくない(笑)。でも演技は上手ですよね。肝心の映画の感想ですが、う~ん…いまいちでした。宇宙刑務所という特殊な設定を生かしきれていないし、トンデモ展開が多すぎてついていくのが大変…。すっごい嫌なやつのハイデルに対して、報復というかスカッとする仕返しみたいなのが何もなく、大爆発でその他大勢と一緒に死にましたっていうオチは雑だったと思います。肝心のミステリー要素も引っ張ったわりにはひねりが足りないし。全体的に物足りなさを感じる映画でしたね。ガイ・ピアース演じる主人公の軽妙なおしゃべりは中々楽しめたかな。金曜の夜にレンタルして、お酒のつまみに観るのにはちょうどいいB級具合かと思います。

秋の夜長に脱獄モノ